開発日誌

資格試験受験者ランキングをつくるまで

📅 2026年4月9日 ⏱ 読了約6分 ✍️ 資格トレイン編集部

資格取得を支援するアプリを作っていると、「いま多くの人が受けている資格は何か」を数字で示したくなりました。トップ画面に受験者数の多い試験が並んでいれば、ユーザーが次に学ぶ候補を選びやすくなりますし、学習の動機づけにもなります。

最初に出てきた「人気ランキング」の問題点

最初は、軽い気持ちでAIに「現在の資格取得ランキング」を聞きました。すると、定番資格として次のような上位が返ってきました。

順位資格名分野
1ITパスポートIT・デジタル
2宅地建物取引士(宅建)不動産
3簿記2級・3級(日商)会計・経理
4ファイナンシャルプランナー(FP)金融・資産
5基本情報技術者試験IT

いわゆる"人気資格"としてよく見かける並びです。ただ、ここで気づきます。「人気ランキング」はアプリに載せるには根拠が弱い。

「人気」の曖昧さ

受験者数なのか、講座の申込数なのか、求人需要なのかで"人気"の意味が変わり、順位も変わってしまいます。私が作りたいのは、できるだけ客観的な「受験者数ランキング」です。

集計ルールを自分で決める必要があった

調べ始めると、国家資格全体を横断して「2025年の受験者数ランキング」が完成形で載っている公式ページは基本的に存在しないことがわかりました。

資格は所管省庁も実施団体もバラバラで、公表形式も統一されていないからです。消防試験研究センター(危険物)・IPA(情報処理技術者)・全国建設研修センター(施工管理)など、試験ごとに別々のページで別々の形式で発表されています。

つまり、ランキングは"どこかから持ってくるもの"ではなく、こちらで集計ルールを決めて作る必要がありました。

今回決めた集計の条件

やり取りを重ねながら決めた「集計の条件」です。

集計ルールを決めた意味

このルールが決まったことで、「集計対象を確定して、各公式ページの2025年受験者数を拾えばランキングが完成する」という状態になりました。データの定義が先、集計が後—この順番が重要です。

集計対象として確定した30試験

次の30試験を2025年受験者数で並べ替えて最終順位を確定する予定です。試験区分の粒度を統一し、各試験の出典(公式の統計・試験結果ページ)も合わせて整理しました。

No.試験(受験単位)出典(公式)
1ITパスポート試験IPA 統計情報
2基本情報技術者試験IPA 統計情報
3情報セキュリティマネジメント試験IPA 統計情報
4応用情報技術者試験IPA 統計情報
5宅地建物取引士資格試験(宅建)不動産適正取引推進機構
6行政書士試験行政書士試験研究センター
7社会保険労務士試験社労士試験センター
83級FP技能検定(2団体合算)日本FP協会 / きんざい
92級FP技能検定(2団体合算)日本FP協会 / きんざい
10危険物取扱者 乙種第4類消防試験研究センター
11危険物取扱者 甲種消防試験研究センター
12危険物取扱者 丙種消防試験研究センター
13第二種電気工事士電気技術者試験センター
14第一種電気工事士電気技術者試験センター
15第三種電気主任技術者(電験三種)電気技術者試験センター
16第一種衛生管理者安全衛生技術試験協会
17第二種衛生管理者安全衛生技術試験協会
18二級ボイラー技士安全衛生技術試験協会
19クレーン・デリック運転士安全衛生技術試験協会
201級土木施工管理技士(第一次検定)全国建設研修センター
212級土木施工管理技士(第一次検定)※前期後期合算全国建設研修センター
221級建築施工管理技士(第一次検定)全国建設研修センター
232級建築施工管理技士(第一次検定)※前期後期合算全国建設研修センター
242級建築士建築技術教育普及センター
251級建築士建築技術教育普及センター
26測量士補国土地理院
27介護福祉士国家試験社会福祉振興・試験センター
28社会福祉士国家試験社会福祉振興・試験センター
29保育士試験(前期+後期合算)全国保育士養成協議会
30看護師国家試験厚生労働省

この30試験に対して、それぞれの公式ページ(PDF等)から2025年の受験者数を取得し、多い順に並べ替えることで「受験者数ランキング」が完成します。

30試験の受験者数はすべて以下の公式サイト・機関から取得します。調査する際の入口として整理しました。

対象資格実施機関・所管公式URL
情報処理技術者試験全般
(ITパスポート/基本情報/SG/AP ほか)
IPA(情報処理推進機構)統計情報 ipa.go.jp/shiken/toukei/
宅地建物取引士(宅建) 不動産適正取引推進機構 retpc.jp
行政書士 行政書士試験研究センター gyosei-shiken.or.jp
社会保険労務士(社労士) 社労士試験センター sharosi-siken.or.jp
FP技能検定(3級・2級など)
※日本FP協会+きんざいの合算が必要
日本FP協会 jafp.or.jp/exam/
きんざい kinzai.or.jp
危険物取扱者(乙4・甲種・丙種など) 消防試験研究センター shoubo-shiken.or.jp
電気工事士/電験(電気主任技術者) 電気技術者試験センター shiken.or.jp
安全衛生系
(衛生管理者・ボイラー・クレーン等)
安全衛生技術試験協会 exam.or.jp
施工管理技士 全国建設研修センター jctc.jp
建築士(1級・2級) 建築技術教育普及センター jaeic.or.jp
測量士・測量士補 国土地理院 gsi.go.jp
福祉系
(介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士)
社会福祉振興・試験センター sssc.or.jp
保育士 全国保育士養成協議会 hoikushi.or.jp
看護師など医療系国家試験 厚生労働省 mhlw.go.jp

次のステップ

次回は、この30試験それぞれについて「2025年受験者数が載っている該当ページ(PDF等)を特定し、実際の受験者数を取得して順位を確定します。公式データの場所の探し方や、PDF形式の統計から数値を読み取るコツについても記録する予定です。

まとめ

最初は「ランキングを作る」と言っても、AIに聞けばそれっぽい答えがすぐ出ます。ただ、アプリに載せるとなると次の3つを決めないと数字の意味が曖昧になってしまいます。

今回の着地点は、主要な国家資格を30試験に絞り、試験単位の粒度をそろえ、2025年の受験者数を公式発表から集計して並べ替える、という手順でした。データの定義が先、集計が後というこの順番は、資格に限らずどんな比較を作る際にも通じると思います。

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