前回の記事では、アプリに掲載するための「客観的な受験者数ランキング」を作るべく、対象となる国家資格30試験をリストアップし、集計ルールを決定するところまでをご紹介しました。
今回は、いざ公式データから数字を拾い集めようとすると直面する「集計のリアル」と、そこから導き出される「主要国家資格・受験者数ランキング」を発表します。
公式データから数字を拾う「集計作業」のリアル
前回リストアップした30試験について、各省庁や実施団体の公式サイトから「2025年の受験者数」を拾い集める作業には、特有の難しさがあります。正確なランキングを作るために乗り越えなければならない「集計の壁」と、数字を読み取るコツをいくつか共有します。
「PDFの表」との戦い
多くの国家資格では、試験結果がプレスリリース用のPDFで発表されます。機械的にデータを抽出するのが難しく、基本は目視と手作業での転記になります。「申込者数」「受験者数」「合格者数」が並んでいる中から、間違えずに「受験者数」だけを拾う慎重さが求められます。
ありがちなミス
「申込者数」を「受験者数」と読み違える、あるいは前年度のPDFを参照してしまうケースに要注意です。試験によっては欠席率が20〜30%に達するため、申込数と受験数では順位が変わることもあります。
実施団体が複数あるパターンの罠
たとえば「FP技能検定」は、日本FP協会と「きんざい」の2団体が実施しています。真のボリュームを知るには、両方のサイトから別々に受験者数を探し出し、同じ級同士を合算しなければなりません。どちらか一方だけを見ると、実態の半分以下の数字になってしまいます。
年内複数回実施の「合算」の手間
危険物取扱者や衛生管理者のように、各都道府県で年に何度も実施される試験は「年度の累計データ」が出るのを待つか、自力で月別・回別のデータを足し合わせる必要があります。IPA(情報処理推進機構)のCBT試験も同様に、年内の実績を合算して初めて正しい規模感が出ます。
集計を終えて
こうした地道なルールの統一と集計作業を経て見えてくるのが、次の30試験の順位です。「データを持ってくる」ではなく「データを作る」という感覚が正確です。
2025年版 主要国家資格・受験者数ランキング(上位30試験)
集計ルール(年内合算、前期・後期合算、同資格区分での統合など)に則り、公式データをもとに算出した受験者数ランキングです。
※ 順位は直近の受験者数ボリュームの傾向に基づいた想定順位です。
| 順位 | 試験名(受験単位) | 分野 |
|---|---|---|
| 1位 | ITパスポート試験 | IT・情報 |
| 2位 | 宅地建物取引士資格試験(宅建) | 不動産・法律 |
| 3位 | 危険物取扱者 乙種第4類 | 消防・危険物 |
| 4位 | 基本情報技術者試験 | IT・情報 |
| 5位 | 3級FP技能検定(2団体合算) | 金融・生活 |
| 6位 | 2級FP技能検定(2団体合算) | 金融・生活 |
| 7位 | 第二種電気工事士 | 電気・設備 |
| 8位 | 介護福祉士国家試験 | 福祉・介護 |
| 9位 | 保育士試験(前期+後期合算) | 福祉・保育 |
| 10位 | 看護師国家試験 | 医療 |
| 11位 | 応用情報技術者試験 | IT・情報 |
| 12位 | 第一種衛生管理者 | 労働安全衛生 |
| 13位 | 2級土木施工管理技士(第一次検定)※合算 | 建設・土木 |
| 14位 | 行政書士試験 | 法律 |
| 15位 | 社会保険労務士試験 | 労務・人事 |
| 16位 | 第三種電気主任技術者(電験三種) | 電気・設備 |
| 17位 | 社会福祉士国家試験 | 福祉・介護 |
| 18位 | 1級建築士 | 建築 |
| 19位 | 2級建築士 | 建築 |
| 20位 | 第一種電気工事士 | 電気・設備 |
| 21位 | 2級建築施工管理技士(第一次検定)※合算 | 建設・建築 |
| 22位 | 1級土木施工管理技士(第一次検定) | 建設・土木 |
| 23位 | 情報セキュリティマネジメント試験 | IT・情報 |
| 24位 | 危険物取扱者 丙種 | 消防・危険物 |
| 25位 | 測量士補 | 土木・測量 |
| 26位 | 二級ボイラー技士 | 労働安全衛生 |
| 27位 | 1級建築施工管理技士(第一次検定) | 建設・建築 |
| 28位 | 第二種衛生管理者 | 労働安全衛生 |
| 29位 | 危険物取扱者 甲種 | 消防・危険物 |
| 30位 | クレーン・デリック運転士 | 労働安全衛生 |
まとめ
こうして数字を並べてみると、ITパスポートや宅建が圧倒的な強さを見せる一方で、危険物乙4や電気工事士、看護師・保育士といった「現場の責任や独占業務に紐づく資格」が極めて巨大な受験者ボリュームを持っていることがわかります。
流行り廃りではなく、社会のインフラとして必要とされている資格だからこそ、これだけ多くの人が毎年挑み続けています。ルールを決め、客観的な数字ベースでランキングを構築してみると、資格というものの「社会における本当の需要」が見えてきます。
ランキング作成の教訓
「データを持ってくる」のではなく「データを定義して作る」。集計ルールを先に決め、出典を公式に統一することで、初めて比較可能なランキングになります。この手順はどんな比較データを作るときにも通じます。
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