開発日誌

資格試験ランキングを作って気づいた「集計のリアル」と完成したランキング

📅 2026年4月9日 ⏱ 読了約6分 ✍️ 資格トレイン編集部

前回の記事では、アプリに掲載するための「客観的な受験者数ランキング」を作るべく、対象となる国家資格30試験をリストアップし、集計ルールを決定するところまでをご紹介しました。

今回は、いざ公式データから数字を拾い集めようとすると直面する「集計のリアル」と、そこから導き出される「主要国家資格・受験者数ランキング」を発表します。

公式データから数字を拾う「集計作業」のリアル

前回リストアップした30試験について、各省庁や実施団体の公式サイトから「2025年の受験者数」を拾い集める作業には、特有の難しさがあります。正確なランキングを作るために乗り越えなければならない「集計の壁」と、数字を読み取るコツをいくつか共有します。

「PDFの表」との戦い

多くの国家資格では、試験結果がプレスリリース用のPDFで発表されます。機械的にデータを抽出するのが難しく、基本は目視と手作業での転記になります。「申込者数」「受験者数」「合格者数」が並んでいる中から、間違えずに「受験者数」だけを拾う慎重さが求められます。

ありがちなミス

「申込者数」を「受験者数」と読み違える、あるいは前年度のPDFを参照してしまうケースに要注意です。試験によっては欠席率が20〜30%に達するため、申込数と受験数では順位が変わることもあります。

実施団体が複数あるパターンの罠

たとえば「FP技能検定」は、日本FP協会と「きんざい」の2団体が実施しています。真のボリュームを知るには、両方のサイトから別々に受験者数を探し出し、同じ級同士を合算しなければなりません。どちらか一方だけを見ると、実態の半分以下の数字になってしまいます。

年内複数回実施の「合算」の手間

危険物取扱者や衛生管理者のように、各都道府県で年に何度も実施される試験は「年度の累計データ」が出るのを待つか、自力で月別・回別のデータを足し合わせる必要があります。IPA(情報処理推進機構)のCBT試験も同様に、年内の実績を合算して初めて正しい規模感が出ます。

集計を終えて

こうした地道なルールの統一と集計作業を経て見えてくるのが、次の30試験の順位です。「データを持ってくる」ではなく「データを作る」という感覚が正確です。

2025年版 主要国家資格・受験者数ランキング(上位30試験)

集計ルール(年内合算、前期・後期合算、同資格区分での統合など)に則り、公式データをもとに算出した受験者数ランキングです。

※ 順位は直近の受験者数ボリュームの傾向に基づいた想定順位です。

順位 試験名(受験単位) 分野
1位ITパスポート試験IT・情報
2位宅地建物取引士資格試験(宅建)不動産・法律
3位危険物取扱者 乙種第4類消防・危険物
4位基本情報技術者試験IT・情報
5位3級FP技能検定(2団体合算)金融・生活
6位2級FP技能検定(2団体合算)金融・生活
7位第二種電気工事士電気・設備
8位介護福祉士国家試験福祉・介護
9位保育士試験(前期+後期合算)福祉・保育
10位看護師国家試験医療
11位応用情報技術者試験IT・情報
12位第一種衛生管理者労働安全衛生
13位2級土木施工管理技士(第一次検定)※合算建設・土木
14位行政書士試験法律
15位社会保険労務士試験労務・人事
16位第三種電気主任技術者(電験三種)電気・設備
17位社会福祉士国家試験福祉・介護
18位1級建築士建築
19位2級建築士建築
20位第一種電気工事士電気・設備
21位2級建築施工管理技士(第一次検定)※合算建設・建築
22位1級土木施工管理技士(第一次検定)建設・土木
23位情報セキュリティマネジメント試験IT・情報
24位危険物取扱者 丙種消防・危険物
25位測量士補土木・測量
26位二級ボイラー技士労働安全衛生
27位1級建築施工管理技士(第一次検定)建設・建築
28位第二種衛生管理者労働安全衛生
29位危険物取扱者 甲種消防・危険物
30位クレーン・デリック運転士労働安全衛生

まとめ

こうして数字を並べてみると、ITパスポートや宅建が圧倒的な強さを見せる一方で、危険物乙4や電気工事士、看護師・保育士といった「現場の責任や独占業務に紐づく資格」が極めて巨大な受験者ボリュームを持っていることがわかります。

流行り廃りではなく、社会のインフラとして必要とされている資格だからこそ、これだけ多くの人が毎年挑み続けています。ルールを決め、客観的な数字ベースでランキングを構築してみると、資格というものの「社会における本当の需要」が見えてきます。

ランキング作成の教訓

「データを持ってくる」のではなく「データを定義して作る」。集計ルールを先に決め、出典を公式に統一することで、初めて比較可能なランキングになります。この手順はどんな比較データを作るときにも通じます。

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