重複問題の検証と著作権リスクの整理をしたあと、実際にアプリを直しました。ここで大事にしたのは、見た目だけの改善ではなく、今後も問題を増やしていける土台を作ることです。
AIと対話しながら、問題データ、出題ロジック、図面、検証スクリプトを少しずつ整えました。
問題データの品質メタデータ
まず、問題データに品質管理用の項目を入れました。代表的なものは、duplicateGroup、learningPoint、qualityStatus、variantRoleです。
| 項目 | 目的 |
|---|---|
| duplicateGroup | 同じ論点の問題をまとめる |
| learningPoint | その問題で覚えることを明確にする |
| qualityStatus | 残す・直す・差し替える判断を記録する |
| variantRole | 標準問題、補強問題、図面読解などの役割を示す |
これにより、問題が増えても「なぜこの問題が存在するのか」を後から確認しやすくなりました。
自作SVG図面を追加
次に、配線図・記号・識別カテゴリーを強化しました。公式図面は使わず、自作SVGで図面読解問題を追加しています。
- 片切スイッチを非接地側に入れる問題
- 3路スイッチで2か所点滅を判断する問題
- 4路スイッチで3か所点滅を判断する問題
- コンセント傍記のWP、E、ET、Tを識別する問題
- 単線図の電線本数表示を読む問題
- VVF 2.0-3Cの表記を読む問題
自作SVGには「公式図面のトレースではない」ことが分かる説明も入れました。これは自分自身へのルールとしても有効です。
写真問題は特徴アイコンへ
写真を使う問題については、最初から「公式写真は使わない」と決めました。ただ、器具識別は視覚で覚えた方が分かりやすいものがあります。
そこで、アウトレットボックスの問題では、写真ではなく特徴を示す自作アイコンを作りました。「金属製の四角い箱」「KOの打抜き穴」という覚えるべきポイントだけを抽象化したものです。
方針:写真を完全に再現するのではなく、試験で見分けるための特徴をイラスト化する。これなら著作権リスクを下げつつ、記憶にも残りやすい。
本番形式50問へ近づける
年度別演習と疑似問題集も見直しました。以前は、年度ラベルの付いた問題をそのまま出す、または難易度比率で50問を作る形でした。
しかし本番対策として考えるなら、50問の中で一般問題と配線図系問題の配分を意識する必要があります。そこで、一般30問、配線図・記号・識別20問を基準にして組むようにしました。
今の問題バンクでは、各年度だけで配線図系20問を満たせない場合があります。そのため年度別は「年度ベース」と表示し、不足分は問題バンクから補完する形にしています。ここはユーザーに誤解させないため、あえて表現を正直にしました。
検証フローを作る
最後に、検証スクリプトを整えました。問題数、ID重複、選択肢数、正解インデックス、画像パス、構造化問題の整合性などをチェックします。
さらに、画像は自作SVG置き場にあるものだけを許可し、「写真」という文言があるのに自作画像がない問題も警告するようにしました。
実際に作業後は、次のような検証を通しています。
OK: validated 205 denco questions
quiz script syntax OK
今後の課題
今回の改善で、問題数は205問、画像付き問題は7問になりました。ただし、まだ完成ではありません。
- リングスリーブ、差込形コネクタ、引掛シーリングなどの頻出器具をアイコン化する
- 配線図系問題をさらに増やし、年度別でも補完に頼らない状態に近づける
- 問題文と正解データの検証を続ける
- ユーザーが「また同じ問題だ」と感じる箇所を継続的に見直す
今回の一連の作業で、AIは単にコードを書く道具ではなく、判断を整理する相手として役に立つと感じました。私が違和感を出し、AIが論点を分解し、最後はアプリに落とし込む。その繰り返しで、少しずつ良いものになっていく感覚があります。
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